被害事故 〜その1〜 / 006

被害事故に遭った。


 20日午前11時頃国道1号線を走行中 当方:直進 相手:左折 で巻き込み事故に遭った。
状況は片側2車線の左車線外を40km/hで走行し交差点に差し掛かったところ渋滞でほぼ停車状態の相手車両(軽箱型ワゴン)が突然交差点を左折、当方バイクの前部及び右側面に接触した。
それによってバイクごと左側に転倒、私は路上に投げ出された。

 当たる瞬間は一瞬だった。渋滞の脇を抜けて走行していて速度も押さえ気味にしていた。
交差点手前だったので「渋滞の切れ目から右折車がくるかも」と構えていたのだがその手前の軽箱型ワゴンが
いきなりこちらにかぶせてきた。「あっ!」と思った時にはもう遅く路上に投げ出されていた。





 対向車に意識がいってその軽ワゴンに集中してなかったのは事実。
しかし日ごろからすり抜けの際は相手のウィンカーだけに頼らず、サイドミラーから見える運転者の顔や
前輪タイヤ(角度など)の動きなどを見る癖をつけている。そのおかげで何度か事なきを得てるし
今まで加害を含め事故はゼロだった。

 事故直前、相手車両は視界に入っていた。しかしウィンカーはなくタイヤの切れ角も運転者の顔の向きも
突然左に、同時に車体がかぶさってきた。「渋滞してるから左の道に抜けよう」とろくに左の確認もせずに
ハンドルを切ったような印象である。

 路上に倒れた後起き上がることは出来なかった。あたった瞬間もちゃんと記憶してるし意識もある。
骨が折れた等の激痛もないし出血もなさそうだからとりあえず命に別状はなさそうだ・・・冷静にそこまで考えることができた、
でも体を起き上がらせられない。全身に力が入らないのだ。国道側には倒れていないとはいえ交差点の中、
「起き上がって道路わきに・・・」とは思うのだけれど頭をわずかに持ち上げるのがやっと。
(後から考えると胸を強打して上手く呼吸が出来なかったからだ)

 事故の相手と第三者数人が「大丈夫ですか!」と声をかけるが返事が出来ない。
「意識があるか!?」の呼びかけになんとかうなずく。
「意識があることを伝えねば」という意識はあるのだが気を抜くと目をつむりたくなる。

 なんとかフルフェイスヘルメットを脱ぐがまだ体を起こせない。親切な第三者が頭の下にタオルをひいてくれた。
加害者が再度声をかけてきた。30代の女性だ。「動けますか?」「動かさないほうがいい」いろんな声が上から聞こえる。
救急車を呼んでくれたらしい。申し訳ない気もするが動けないのだから仕方がない、そのままじっとしている。


1〜2分ほどそうしていただろうか、何とか立ち上がり道路わきの歩道に歩いて移動した。ベスパを第三者が同じ歩道に移動してくれていた、がスタンドの立て方がわからなかったらしく左に横倒しで置かれていた。
「あんまりだ・・・」とは思うものの仕方がない。せめてもと思い起こすのを手伝ってもらいスタンドをたてた。

被害事故の怒りよりもベスパを傷つけてしまった悲しみのほうが大きかった。


在りし日の銀ベスくん・・・この画像は別のネタで使おうと撮っていたのがまさかこんな形で使おうとは・・・



 そうこうしているうちに救急車が到着。子供のころ一度救急車で運ばれたことがあるらしいのだが覚えていない。気持ちとしては初めて乗る救急車だ。隊員の質問に答えながら応急処置を受ける。
 痛みは左ひじと腰(というより尾てい骨)が主だ。到着した救急病院でレントゲン撮影・診察・手当てを受けた結果左ひじの擦過裂傷と腰部打撲の全治10日間。
 軽症ですんだのが不幸中の幸いである。

相手車両が衝突直後に停車した / 斜めにぶつかった為衝撃が逃げた / 通過車両がいなかった / 双方速度が出ていなかった 
などの幸運に恵まれたおかげで、どれかひとつでも違っていたら・・・と思うと背筋が寒くなる。



 フルフェイスヘルメット / 手袋 / ビジネススーツ / 外套 / バックパック
といういでたちも今回怪我を少なくした要因だったように思う。
 打撲は脚やら右胸やら全身にあるが頭からアスファルトに5〜6Mスライディングした割には擦り傷が少ないのも肌を衣服で2重3重にガードしていたことのおかげ。普段の心がけが生きたということか。

 特にフルフェイスヘルメットは役割が大きかった。
前を向いて運転する以上、万が一転倒した場合顔から地面に突っ込む確率が高い。
ジェットヘルは頭の防護は良くても顔の防護は不安が残る
*注1(特に顎)。
 今回に限って言えばジェットヘルでも問題なかったと思う。
が、仮に着地後スライディングせず転がってた場合ジェットヘルでは衝撃はともかく顔の擦過傷は防げなかったのでは
ないかと思う。起きる可能性の少ない話を大げさに書くのは申し訳ないが、実際被害事故に遭うという少ない確立に
出遭ってしまうとこの違いは切実に思えるのだ。
 ましてや半キャップなんぞ論外である。お洒落重視のおわんヘルにゴーグルだったら今頃顔も洗えてないはずだ。

【今回の教訓 : 安物でもフルフェイスをかぶろう】

 そしてもうひとつ大きかったのがバックパック。
左に倒れる際くるっと仰向けに近い状態で地面に着地したようで普通なら嫌ほど背中を強打するだろうが背負っていたバックパックがクッションの役割をしてくれて背中へのダメージは全くなかったのだ(腰はしたたか打ったが)。
 ベスパは荷物が積めないので身の回りのものは背中に背負うしかなかったのが今回は吉となったようだ。
只、中に入れていた荷物のなかには粉々に砕けていたものもあったので改めてことの重大さを教えられた。

私を守ってくれたヘルメットと手袋。
どちらも安物だけど機能としては十二分に働いて
くれました。ホント着けててよかったC=(^◇^ ; ホッ!

”衝撃が加わったヘルメットは再使用しない”
が鉄則なので保障のお金で買いなおしせななぁ。

ヘルメットに感謝の意を込めて
( ̄^ ̄ゞ ケイレイ!!
守ってくれてありがとう!
(手袋くんはまだ使います)

もう一人の功労者、バックパックくん。
破れてはいないものの向かって左側に多くの擦り傷ができてました。
 シンプルながら使い易いので今まで大事に使ってきたのに・・・

*注1 ジェットヘルメットでもバイザーを工夫し顔全体をガードしているものもありますので全てのジェットヘルメットが
    顔に対する安全性が低いというわけではありません。(バイザーよりも強度のある外殻で顎も覆っている
    フルフェイスの方がモアベターなのは言うまでもありませんが。)

車体の被害は次ページです。