2010/3/27

3月19日。
長女の誕生日。

学校に送り出したあと、バースデーケーキを買いに行こう
その前にお腹が不調の妻を病院で見てもらって
その後に買い物だな、、、と考えてたのが9:30
永い1日の始まりでした。

近所のレディースクリニックで見てもらう。
2〜3週間前から右脇腹の鈍痛(長距離走走ったあとのような)
があり、検査してもらった結果をこの日聞きに。
「異常なし」
当初所見は「風邪がお腹に来た」だったが
鈍痛は一時少なくなったものの
ぶり返してきた。
なので、引き続く痛みを訴え更に血液検査をしてもらう。
結果は白血球の数値が異常に高く、
紹介状を書くから大きい病院でこの足で即検査してくれ、
手術になるかも知れない・・・

待合室に出てきた妻からそう説明を受けたとき
「エッ、うそぉ・・・」としか言葉が出ませんでした。

慌ててクリニックを出たのが11:30

大きな病院で紹介状を渡し、大々的に検査をしてもらう。
血圧・脈拍に始まり、心電図・血液検査・レントゲン・CTスキャン。
受診者も多く、待ち時間が長い。
連れてきた次女も「お腹空いた」と退屈顔。
おにぎりを買ってきて食べる。
妻は医者に「食べるな」と言われたので我慢。

14:00、外科担当の副院長より検査結果を伝えられる。
CTスキャンの画像を見せられ、盲腸付近に白い影があり
膿が腸外に出てる様子。
このまま放置すれば腹膜炎となり命に関わるので
緊急手術を今から行います。
同意書に記入してください。
今から麻酔担当医が説明に来ます、
ちょっとここで待っててください。

妻は事態の展開が速すぎて
気持ちが追いついてない様子。
でも怖がりなのでこれはこれで結果オーライかも知れない。
妻を診察室に残し、建物外へ電話をしに出る。
午前の診療を終えた院内は
打って変わってガランとしていた。
アレコレと考えを巡らせる。

長女はこんな事態を一切知らない。
帰って来たとき不在だったら不安がるから
ご近所の方に預かって頂けるよう連絡をする。

それぞれの両親にも連絡を取る。
手術となれば当然全身麻酔だろうし
手術時間もどれだけになるか分からない。
次女を迎えに来てもらう段取りを話す。

手術用にT字帯/腹帯を売店に買いに行く。
診察室に戻り、麻酔医より説明を受ける。
やはり全身麻酔、術式は腹腔鏡。
その方が負担が少なく回復が早いらしい。

救急搬送も受け入れる地域のハブ病院なので
空室がないらしい。調整の結果個室なら用意できる、
差額がかかるが良いかと聞かれるが
こちらに選択の余地はない。応諾。
手術は準備出来次第開始するとのこと、
取り敢えず病室で待機。

16:00、帰宅した長女から携帯に電話が入る。
事情を説明する。
ゴメン、ママが手術することになった
えぇ〜!どうしたんー?!
電話口で泣き出す長女。
ママのお腹イタの為に手術しなきゃいけない、
大丈夫、元気になるから心配ない。
じいちゃんばあちゃんが迎えに行くから
それまでご近所さんのお家で待っておくように。
返事は無く、ただ泣いている。
キミは寂しがり屋で泣き虫だけど
芯は強い子です。
パパが大丈夫だからと言えば、素直にそれを信じられる
強い子です。
だからキミを信頼して、本当の事を話しました。と
こちらも沈黙で語りかける。

ホントに大丈夫?
大丈夫、
だから待っててね。
うん、わかった。
電話を切る。

楽しい楽しい誕生日のはずが
こんなことになってごめんね。

16:30、次女の迎えに父母が来る。
同時に手術の用意が出来たと言われ準備に入る。
術衣に着替え、点滴挿管。
テキパキと準備が整う。

ストレッチャーに自ら乗り、手を振る。
いってきます。
いってらっしゃい。
次女とタッチをする。
ママにパワーをあげて〜。
タッチ、タッチ。

手術室の扉が開き、妻が運ばれていく。
扉が閉まる最後まで顔をあげてこちらを見ていた。
無事の手術を心から祈る。

次女を父母に引きとってもらい、長女のお迎えをお願いする。
自宅で待機してもらう。
入れ違いに義父母が病院に到着。
たった今手術室に入ったこと、医者から受けた説明を伝える。
あとは病室で待つだけ。

18:30、予想より早く手術が終わる。
手術室から出てきた妻は全身麻酔が切れたものの
意識は朦朧としてるはずだ。
自分は2度経験してるからわかる。
それでも医師の問い掛けに笑顔で返事をする妻。
ホッとするのと、こんな時まで気を使わなくてもと
自然に苦笑いが浮かぶ。

執刀医から告げられた病名は「穿孔性結腸憩室」
虫垂に近い憩室が炎症を起こし、穴が開いて膿が腸外に出てたらしい。
痛みも相当だったはずですが、良く我慢されてましたね と言われる。
妻は自覚症状として痛みは強くないと言ってたが
軽く見ていたら大変なことになっていたかもしれない。
緊急手術で戸惑ったが、巡り合わせが良かったと考えるべきか。

病室で妻は麻酔から覚めたが、完全に切れておらず
気分が悪いと訴える。体をさすり、体勢を変えるお手伝いをする。
点滴はもちろん、腸内の膿を完全に出すため
チューブを体内から繋いだままで痛々しい。
顔色も麻酔の影響で白い。
面会時間を1時間オーバーした21:00
子どもたちを迎えに行かなければならないので
心細いであろう妻を残し、病院を去る。
あとは日に日によくなる。日にち薬だ。

自宅に帰り、子どもたちとお風呂に入って寝たのが23:00。
明日から、おうちにママがいない生活が始まる。
取り敢えず今日は休もう。

長い永い1日が終わった。



その妻も今日、無事に退院できました。
またママと一緒に4人で生活できる。
当たり前のことに感謝。
長女の誕生祝いをやり直すぞ!